現在阿刀田高が選考している「ショートショートの広場」シリーズで以前こんな話を読んだ。

語り手はドーナツ店を訪れて、「ドーナツの穴の部分を下さい」と注文する。
ドーナツの穴とはもちろん何もない空間であり、売り物ではない。
かといって、そんなものはありませんと答える店員はいかにも凡人である。
彼はこういった意地悪な投げかけをして相手の困った様子を見るのが趣味の男なのだ。
だが男は店員の意外な返事によって逆にやりこめられて感心してしまう、といった内容だ。

ショートショートとして評するには何とも掴みどころのない話ではあったが、
当時の僕には結構面白いと感じたし、今でも妙に心に残っている。
貴方が店員だったら「ドーナツの穴の部分を下さい」と注文されたらどう返答するだろうか?


ちなみにこの「ショートショートの広場」シリーズに収録される作品はコンクール公募なので
作者は阿刀田先生のようなプロではない、と言う点は付け加えておく。

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「ドーナツの輪」はかねてから哲学的な命題とともに語られる事が多い。

そこにあってないもの、有であり無。
ドーナツの内側にあるようでいて、実は世界と繋がり宇宙をも内包する空間である。

今日仕事中にふとした拍子にサザンの「HAIR」が頭の中に流れてきて
そこからドーナツの輪問題に思いを巡らせてたら訳が分からなくなった。
そんなわけで、次の日記のネタはドーナツの輪だな、と決めていた。

この話には特にオチはないが、これもきっとどこかに繋がっていくのだろう。

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