四月馬鹿達の宴 ~優しい嘘を集めましょう~
2015年4月1日 趣味 コメント (2)今年もこの時期がやってきた。
いわゆるえいぽーふー。いっつおーるふぃくしょん!
月並みな言い方だが、嘘には保身・虚栄・詐取などの「自分の為につく嘘」と
相手を傷つけない為の「優しい嘘」がある。
今年は特に凝った嘘とか用意していない(思いつかない)ので
代わりに各方面から「素敵な嘘」を思いつく分だけ紹介したい。
---------------------------
「相手を思いやってついた嘘」をテーマにした創作話は多い。
我が国にも、そんな素敵なお話がある。
落語「芝浜」をご存じだろうか?
主人公の夫は商売の才能はあるが典型的な「酒で人生を失敗してきた」男。
彼はある夜の道端で大金を拾い、その金で大酒を飲み、酔いつぶれて家に帰ってくる。
翌朝彼は二日酔いで目覚め、持ちかえったはずの大金を探し始めるのだが
彼の妻は「そんな大金はない。夢でも見たんじゃないか」と言うばかり。
夫も夢だったのかと諦め、そんな夢を見てしまうほど落ちぶれた自分の浅ましさを恥じて
以後酒を断ち、真面目に仕事に励み、そこからは商売も人生も軌道に乗り始める。
まあもうここまでくれば分かると思うけど、実は夫が拾った大金は妻が隠していた。
「この大金があれば夫はますます酒に溺れてダメになってしまう」と考えた末の機転だ。
妻はこの事を告白し謝るが、夫は逆に自分の人生を立ち直らせてくれたと感謝する。
非常に温かみのある人情噺だが、落語なのでオチも非常に秀逸だ。
新たな人生を祝い、久しぶりの酒を勧める妻に対して夫が一言。
「よそう、また夢になるといけねえ。」
----------------------
相手を思いやる嘘の中でも、生死に関わるものや
あるいは生きるよりどころを守るための嘘というのは、創作においても頻出といえる。
親を亡くした子供に「貴方の親はお星さまになったのよ」というようなアレだ。
その類型を扱った名作は枚挙にいとまがないのだが
あえて挙げるとしたら、ここは映画「ライフ・イズ・ビューティフル」を推したい。
「これはゲームなんだ。勝ったら、本物の戦車に乗っておうちに帰れるんだ」
この台詞の意味が分からない未視聴者は試しに借りて観てみるといいと思う。
------------------
周囲に正体を隠して戦うヒーローもまた、ある意味では嘘つきだと言えるだろうか?
ここでは完全に僕の趣味の話であるが、ドラマ「フードファイト」を紹介したい。
フードファイトは未視聴者からは「よく分からんが大食い勝負するんでしょ」と言われるが
実際はヒューマンドラマの合間に大食い対決があるにすぎない。
そのドラマ部分にいろいろ突っ込みどころがあるのは置いておいて
このドラマもまた、「嘘」を一つのテーマとして扱っていた。
周囲に秘密でフードファイトを続ける男と、そこに最後に立ちはだかる強敵。
彼らの積み重ねてきた嘘が全て暴かれるとき、物語は最高潮を迎えるのだ。
このドラマについてはここでは書ききれないのでまたいつか改めて筆をとりたい。
観た事ない人は試しに借りて観てみるといいと思うが、諸事情ありレンタルされてない。
出演者から2名の逮捕者を出し、現実世界では死者まで出した不遇の作品である。
でも敢えていおう。神ドラマであると。
(別に嘘云々はあまり関係なかったね。ごめんね)
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最後に紹介するのは…水平思考問題、いわゆるウミガメのスープから。
僕が一番好きな問題。アメリカとかだと本当にありそうな話だと思う。
以下、文章はウミガメのスープVIPまとめwikiより引用。
【問題】
よくある野球が大好きで手術を受ける勇気のない少年とスラッガーのお話。
スラッガー「明日、僕は1度だけ代打で出場する。
その打席で僕は君のためにホームランを打つ。
そしたら、君も勇気を出して手術を受けるんだ!」
翌日。現実は非常なものでスラッガーは見事な三振。
しかし、少年は溢れんばかりの勇気をもらい、手術に挑んだ。
何が起こった?
【解答】 (反転文字)
アメリカのとある地方に野球観戦の大好きな、
でも、目の見えない少年がいました。
少年は大リーグ屈指のスラッガーである選手にあこがれています。
少年はその選手へファンレターをつづりました。
「ぼくは、めがみえません。でも、毎日あなたのホームランをたのしみにしています。
しゅじゅつをすれば見えるようになるのですが、こわくてたまりません。
あなたのようなつよいこころがほしい。ぼくのヒーローへ。」
少年のことがマスコミの目にとまり、二人の対面が実現することになりました。
カメラのフラッシュの中、ヒーローと少年はこう約束します。
今度の試合でホームランを放てば、少年は勇気をもって手術に臨む、と。
そして、その試合、ヒーローによる最後の打席。2ストライク3ボール。
テレビや新聞を見た多くのファンが、スタジアムで固唾をのんで見守り、
少年自身も、テレビの中継を祈る思いで聞いています。
ピッチャーが投げた最後のボールは、
大きな空振りとともに、キャッチャーミットに突き刺さりました。
全米から大きなためいきが漏れようとしたその時、
スタジアムの実況が、こう伝えました。
「ホームラン! 月にまで届きそうな、大きな大きなホームランです!」
いわゆるえいぽーふー。いっつおーるふぃくしょん!
月並みな言い方だが、嘘には保身・虚栄・詐取などの「自分の為につく嘘」と
相手を傷つけない為の「優しい嘘」がある。
今年は特に凝った嘘とか用意していない(思いつかない)ので
代わりに各方面から「素敵な嘘」を思いつく分だけ紹介したい。
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「相手を思いやってついた嘘」をテーマにした創作話は多い。
我が国にも、そんな素敵なお話がある。
落語「芝浜」をご存じだろうか?
主人公の夫は商売の才能はあるが典型的な「酒で人生を失敗してきた」男。
彼はある夜の道端で大金を拾い、その金で大酒を飲み、酔いつぶれて家に帰ってくる。
翌朝彼は二日酔いで目覚め、持ちかえったはずの大金を探し始めるのだが
彼の妻は「そんな大金はない。夢でも見たんじゃないか」と言うばかり。
夫も夢だったのかと諦め、そんな夢を見てしまうほど落ちぶれた自分の浅ましさを恥じて
以後酒を断ち、真面目に仕事に励み、そこからは商売も人生も軌道に乗り始める。
まあもうここまでくれば分かると思うけど、実は夫が拾った大金は妻が隠していた。
「この大金があれば夫はますます酒に溺れてダメになってしまう」と考えた末の機転だ。
妻はこの事を告白し謝るが、夫は逆に自分の人生を立ち直らせてくれたと感謝する。
非常に温かみのある人情噺だが、落語なのでオチも非常に秀逸だ。
新たな人生を祝い、久しぶりの酒を勧める妻に対して夫が一言。
「よそう、また夢になるといけねえ。」
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相手を思いやる嘘の中でも、生死に関わるものや
あるいは生きるよりどころを守るための嘘というのは、創作においても頻出といえる。
親を亡くした子供に「貴方の親はお星さまになったのよ」というようなアレだ。
その類型を扱った名作は枚挙にいとまがないのだが
あえて挙げるとしたら、ここは映画「ライフ・イズ・ビューティフル」を推したい。
「これはゲームなんだ。勝ったら、本物の戦車に乗っておうちに帰れるんだ」
この台詞の意味が分からない未視聴者は試しに借りて観てみるといいと思う。
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周囲に正体を隠して戦うヒーローもまた、ある意味では嘘つきだと言えるだろうか?
ここでは完全に僕の趣味の話であるが、ドラマ「フードファイト」を紹介したい。
フードファイトは未視聴者からは「よく分からんが大食い勝負するんでしょ」と言われるが
実際はヒューマンドラマの合間に大食い対決があるにすぎない。
そのドラマ部分にいろいろ突っ込みどころがあるのは置いておいて
このドラマもまた、「嘘」を一つのテーマとして扱っていた。
周囲に秘密でフードファイトを続ける男と、そこに最後に立ちはだかる強敵。
彼らの積み重ねてきた嘘が全て暴かれるとき、物語は最高潮を迎えるのだ。
このドラマについてはここでは書ききれないのでまたいつか改めて筆をとりたい。
観た事ない人は試しに借りて観てみるといいと思うが、諸事情ありレンタルされてない。
出演者から2名の逮捕者を出し、現実世界では死者まで出した不遇の作品である。
でも敢えていおう。神ドラマであると。
(別に嘘云々はあまり関係なかったね。ごめんね)
----------------------
最後に紹介するのは…水平思考問題、いわゆるウミガメのスープから。
僕が一番好きな問題。アメリカとかだと本当にありそうな話だと思う。
以下、文章はウミガメのスープVIPまとめwikiより引用。
【問題】
よくある野球が大好きで手術を受ける勇気のない少年とスラッガーのお話。
スラッガー「明日、僕は1度だけ代打で出場する。
その打席で僕は君のためにホームランを打つ。
そしたら、君も勇気を出して手術を受けるんだ!」
翌日。現実は非常なものでスラッガーは見事な三振。
しかし、少年は溢れんばかりの勇気をもらい、手術に挑んだ。
何が起こった?
【解答】 (反転文字)
アメリカのとある地方に野球観戦の大好きな、
でも、目の見えない少年がいました。
少年は大リーグ屈指のスラッガーである選手にあこがれています。
少年はその選手へファンレターをつづりました。
「ぼくは、めがみえません。でも、毎日あなたのホームランをたのしみにしています。
しゅじゅつをすれば見えるようになるのですが、こわくてたまりません。
あなたのようなつよいこころがほしい。ぼくのヒーローへ。」
少年のことがマスコミの目にとまり、二人の対面が実現することになりました。
カメラのフラッシュの中、ヒーローと少年はこう約束します。
今度の試合でホームランを放てば、少年は勇気をもって手術に臨む、と。
そして、その試合、ヒーローによる最後の打席。2ストライク3ボール。
テレビや新聞を見た多くのファンが、スタジアムで固唾をのんで見守り、
少年自身も、テレビの中継を祈る思いで聞いています。
ピッチャーが投げた最後のボールは、
大きな空振りとともに、キャッチャーミットに突き刺さりました。
全米から大きなためいきが漏れようとしたその時、
スタジアムの実況が、こう伝えました。
「ホームラン! 月にまで届きそうな、大きな大きなホームランです!」
コメント
柳田…空想科学読本かな?(無教養の胎界物並みの感想)
恥ずかしながら國男氏の著作は断片的に知るのみで、全く拝読したことがありません…
あの「遠野物語」ですら、どんなものか知ってはいるが実際読んだことはないのです。
大体の学生が名前を知ってるけど「源氏物語」を読んだことがないのと似てますね!
創作物は極端に言って作り物の嘘だけれど、少なくともそれで私の人生は救われてます
人生を面白く豊かに彩る「嘘」とただの「虚偽」は違うって、それ一番言われてるから。